2009年10月18日に発行された中日新聞朝刊記事を紹介します。
高浜市には市内全域を網羅した五つのまちづくり協議会があり、地域内分権が進んでいます。市民が行政活動にも参画し、将来のまちづくりを考え、自らもが行動する社会的組織です。子供から大人、老人、外国人までが同じ地域の中で価値ある生活を営むための義務と権利の場でもあります。この住民関係は、相互理解がなければできません。私が食育の活動を委託された時に、背景に感じたのはその点でした。
八月、高浜市こども食育推進協議会に登録している食育ボランティアの実践活動として、高浜小学校で子どもたちと、市特産品の鶏肉と卵を作った料理教室を開きました。
高浜の養鶏は、百年前の日露戦争で従軍した加藤弥七がふ化技術を持ち帰ったことから地場産業として根付きました。子どもたちは、そんな話を吉浜養鶏農業協同組合の内藤正博副組合長から聞きました。そして郷土料理の鶏飯、レンジで作るオープンオムレツ、昆布とかつお節でだしをとったすまし汁を調理。食育ボランティアのおばあちゃんたちから孫の世代への食文化の継承です。盛られた食事を残さずに平らげる子どもたちを。大人たちは優しいほほ笑みで見ていました。
今年から小学校の夏休み自由研究部門にカワラッキー賞(食育)をつくりました。審査で学校を回ると七十点もの工作や研究があり、どれも力作ばかりです。優秀作品は大人の食育活動功労者と一緒に秋のJAまつりで表彰します。
事業所や飲食店、農家には「食育協力隊カワラッキーフレンズ」に入ってもらい、各種イベントでそれぞれができる食育を模索しています。食という切り口を使えば、職種を超えた新たなつながりができると思います。
こうして高浜では、食を通じて所属や年齢を超えた関係が、少しずつですが、できつつあります。地域内分権を推進するにはコミュニケーションが大きなウェートを占めます。人間仲良くなるには、百回の会合よりも一回の食事。そのためにも「カワラッキーな人」になりましょう。
「カ・感謝」 感謝して食べる人
「ワ・和」 和を大切に食べる人
「ラ・楽」 楽しんで食べる人
「ツ・創」 創って食べる人
「キ・基」 朝食を食べる人
学齢期用の高浜市こども食育ガイドライン
中日新聞朝刊 連載「味な提言」全6回掲載