究極のきぬ、至高のもめん 誕生秘話

究極のきぬ・至高のもめん 誕生秘話

はじまりは自分の子どもに食べさせたい豆腐から

明治から続く豆腐屋の四代目として生業を継ぎました。 自分の子どもが産まれ、離乳食として食べさせている輸入大豆で作る豆腐に疑問を感 じ始めました。 この子に食べさせている豆腐は、伝統的な豆腐造りなのか。

それから出会った国産大豆の良さとにがり寄せの素晴らしさ。 何よりも子どもたちが口にするものは、安心安全なものを食べてもらいたい。 そして、豆腐という伝統的な食品は、昔ながらの製法を大切にし、 さらにそれを創造していくことを目標としました。

当時は、まだ国産大豆とにがりで作っている豆腐屋さんが少なく、聞く人もいません。 試行錯誤で日々努力、日々勉強のはじまりでした。 やっとの思いで完成した国産大豆にがり寄せの豆腐は、 地元のお客様をはじめ、少しずつ認められるようになりました。

刈谷市で営む町の小さな豆腐屋だった頃(1998年)

「理想の豆腐」へ さらに勉強の日々

そんな中、技術者でもある私がイメージする「理想の豆腐」 新しい豆腐を作ってみたいと思うようになりました。 国産大豆は豆腐作りに適していますが、にがり寄せで作る製法に向く大豆に求められるのは、 たんぱく質が多く、ショ糖値が高い大豆でした。 当時、地元産の大豆は油脂量も低かったため、 自分が思う理想の豆腐づくりには、甘みとコクが足りませんでした。
それから、さらに勉強の日々。

木綿豆腐を製造する際に出るお湯からオリゴ糖が抽出できる という記事をヒントに生まれた独自製法。 大豆オリゴ糖に近い組成を持つオリゴ糖、 大豆から搾油した大豆油を足せば、自分の理想の豆腐になるかもしれない……。

後押しするように、お客様のニーズがあったのは、 「うちの子は、豆腐のにおいが嫌いだと食べてくれない」というもの。 大豆特有の香りが苦手な人が多いこと、 そして、オリゴ糖には、それらをマスキングする効果もあることに気がつきました。

近くの小学校で豆腐教室を始めた頃

発売当初の「至高のもめん」と「 究極のきぬ」

自分が理想とした新しい豆腐は、子どもたちが「美味しい!」と食べてくれる豆腐と重なれば良い!
そして、技術者として最高に美味しい豆腐を作ろう!

そして完成 おとうふ工房いしかわ自慢の豆腐

幾度も試作を繰り返し、完成したのが、「究極のきぬ」「至高のもめん」です。
誕生から20年余り。 今では、子どもも成人し、孫もできました。 お客様からの声をヒントに生まれた弊社の豆腐シリーズの代名詞ともなった「究極のきぬ」「至高のもめん」を是非一度ご賞味ください。

石川 伸